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EMT Ch12, 13 2022/1/25

Shock

病院前救急医療で、焦点が当てられているショック。
日本とアメリカでは、病院前救急医療のスタンスが違います。
日本では、処置の範囲がアメリカに比べ少ないため、早期に病院搬送することが求められます。
最近では、ドクターカーの普及によりALSを現場で行う地域が増えてきましたね。
アメリカでも、きるだけ早期に搬送することが言われています。
しかし、ショック(バイタルが安定していない)傷病者に対して、現場で安定化を目指します
これを“Stay and Play”と言います。
当然、安定化している傷病者は、早期に搬送します。

ショックとは、「生体に対する侵襲あるいは侵襲に対する生体反応の結果,重要臓器の血流が維持できなくなり,細胞の代謝障害や臓器障害が起こり,生命の危機にいたる急性の症候群。」のことを指しますね。

テキストには、”Shock is defined as inadequate cellular perfusion.”と記載されています。同じですね!そりゃそーか。

よくレクチャーでは、”perfusion(灌流)” “hemostasis(恒常)”をよく耳にしました。この二つがキーワードです。

この三角形で、循環は保たれています。
どこかが不足していると他が補おうとしますよね(代償)。
ショックは、補うことができなくなる破綻)ことを言いますね。

ショックには、大きく4つに分類されますね。

Cardiogenic shock -心原性ショック

Obstructive shock –心外閉塞・拘束性ショック

Distributive shock -血液分布異常性ショック

Hypovolemic shock -循環血液量減少性ショック

また、Distributive shockには、
Septic shock(敗血症性ショック)と、
Neurogenic shock(神経原性ショック)
Anaphylactic shock(アナフィラキシーショック)に加え、
Psychogenic shock(精神原性ショック)があります。

基本的に、ParamedicのALSにより、安定化をさせます。
しかし、敗血症性ショックや、外傷の根本的治療は、行えないため、ABCを確保しながら、搬送します。

心原性ショックでは、
高度不整脈に対して、同期型電気ショック(カルディオバージョン)や、発作性上室頻拍に対してアデノシン投与などを行うことができます。

心外閉塞・拘束性ショックでは、
緊張性気胸に対して、胸腔穿刺を行うことができます。

血液分布異常性ショックでは、
アナフィラキシーショックに対するアドレナリン投与や、昇圧剤などで血圧の管理ができる。

循環血液量減少性ショックでは、
緊急輸血や、急速輸液を行うことができる。

EMSには、Primary AssessmentとSeconday Assessmentとがありますね。
傷病者がショックの場合、Primary Assessmentから進みません。
ABCの安定化してないからです。
できるだけ早期にショックを離脱しなければなりません。
だって、ショックは、“hemostasis(恒常)”で保つことができず、“perfusion(灌流)”が滞っているからです。
なので、早期にショックを離脱して、十分な酸素を身体全体に運ばなければなりません

EMTには、できないことが多いですが、ABを確保することはできます。ALSがCにフォーカスできるようにABを特訓します!

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